実験に関するルール
MLFは放射線を用いた実験施設ですので、万が一の事故に備えて、高度な安全対策が要求されております。利用者の皆様に安全かつ滞りなく実験を行っていただけるよう、以下のようなルールを設けております。
それぞれのルールの詳細はリンク先に記載されておりますので、実験前に必ずご確認いただけるようお願いいたします。
1. 入退室管理
実験ホール内は放射性物質で汚染されている可能性がある第1種管理区域に指定されております。退出の際は手足に放射性物質が表面に付着していないことを確認(汚染検査)すると共に、持ち込んだ物品も全て汚染検査の後に持ち出すことが義務づけられております。実験ホールに持ち込む必要の無い物品はロッカーに保管し、検査品の削減にご協力願います。
2. 化学安全
課題申請時、来所前に使用申請があった試料や薬品は使用条件、化学的性質、法令等を考慮し、安全審査を行います。特に高温や高圧など特殊な実験環境については、事前に実験条件を再現し、化学的に安定であることを確認することが義務づけられております。上記の手続きが行われていない試料や薬品は使用が許可されませんので、必ず事前の手続きをお願いします。
※ 安全審査の結果はSAMPLE RISK ASSESSMENT SHEETとして送付します。試料の取扱注意事項などが記載されていますので実験前にご確認ください。
3. 機器安全
実験のためMLFへ持ち込む必要がある機器は、来所前に実験機器持ち込み・使用届により申請して下さい。申請された実験機器は、原則として、使用前に係員が機器の健全性および安全性の確認を行います。また、高温や高圧などの特殊な実験環境については、使用前に実験条件を可能な範囲で再現し実験機器の健全性を確認することがありますので、その際はご協力をお願いします。これらの確認を都合の良い日時に実施するためにも早めの申請についてご協力をお願いします。
※安全確認で問題無しと判断された場合、施設が割り当てた機器番号と有効期限(1年間)を記載した「機器番号シール」をお渡しします。機器本体や保管容器などに貼るか、貼れない場合は報告書と共に保管して下さい。この機器番号は安全確認の履歴を調べるために活用しますので、次回の申請では機器番号欄に記入するようにお願いします。なお、申請された実験機器の中に有効期限内のものが存在した場合、原則として、該当機器の安全確認は行いません。
4. 放射線安全
ビームを照射した試料や機器は放射化している可能性があります。放射化の可能性がある試料や機器を持ち出す際は汚染検査に加えて放射化についても検査を行い、放射化が確認された場合は線量が十分低減するまで実験ホール内で保管することになります。
これらを試料として用いる場合は必ず装置責任者に事前相談を行って下さい:
- 放射化の確認は係員による検査が必要になるため、オフィスアワーのみの対応となります(土日は朝10:00の定期検査のみの対応となります)。
- 粉末・液体・ガスにビームを照射する際は、放射化物の飛散や漏洩に関する対策を施す必要があります。
- 放射性同位元素を実験使用するために持ち込む際は、実験予定の前年度からの手続きが必要です。
5. ガス安全
1MPa以上の高圧ガスに圧力を加えて使用する場合、または1MPa以上の高圧ガスをそのまま使用する場合は高圧ガス保安法が適用されるため、茨城県の許可が必要になります(1MPa以下に減圧して使用する場合は該当しません)。現在、MLFでは一部機器を除いて県の許可を受けておりませんので、これに該当する実験を行う際は必ず装置責任者に事前相談を行って下さい。
※ Xeや3He, Ar等は中性子ビームの照射により放射化する可能性がありますので、放射線安全の項を参照し、飛散・漏洩への対策を施して下さい。
ガスボンベの持込
ガスボンベの持込みや購入を希望する場合、事前に実験装置責任者に相談してください。
一般安全
実験時の服装について
- 半ズボン、スカート、裸足は不可
- 半袖は可
作業の制限
利用者は以下の作業を行うことができません。必要な際には実験装置責任者に相談してください。
- 実験ホール内のクレーン操作
- 分電盤作業
- 火気作業(溶接、ハンダ付け等)
- 1.5m以上の高所作業
その他の注意事項
- 密閉された空間の内部、危険と考えられる区域での作業は、複数人で行ってください
- 機器、分電盤、出入口・非常口、通路、消火設備等の付近に、物品を置かないでください
- 消火器、懐中電灯等の保安用品は、所定の位置から移動させないでください
- 物品を積み重ねる場合には、固定するなど安定を保つ措置を講じてください
- 地震に備えて、転倒・落下対策を講じてください(避難経路付近や利用者の身近には背の高い物を置かない)
- キャスター付きボンベなどは、ロックまたは輪止めを必ず使用してください
- 警告灯点灯時には、装置に近づかず、そのエリアに 立ち入らないでください