中性子・ミュオン実験装置
中性子実験装置
MLFの中性子源では大強度の中性子ビームが1秒間に25回、パルス状に発生します。中性子の波長は速さに比例するため、中性子が発生してから検出されるまでの時間を計測する飛行時間法という手法を用いることにより、中性子の波長を識別することができます。MLFの中性子実験装置では、中性子源で発生する大強度の中性子ビームと飛行時間法を活用した高度な測定を組み合わせることにより、最先端の科学技術の発展に寄与するための実験を日夜行っています。
MLFの中性子ビームラインは合計23本あり、現在、以下で示す21本のビームラインに実験装置が設置されています。
※残りの2本の中性子ビームラインについても装置提案を受付中です。
中性子実験の詳細はこちらをご覧ください。
» 中性子実験の詳細
ミュオン実験装置
MLFのミュオン源では、3 GeVシンクロトロンからの陽子ビームをグラファイト標的に照射することで炭素との核反応を引き起こし、パイ中間子(π±)および表面ミュオン*(μ+)を毎秒25回のパルス状ビーム(パルス幅〜0.1μs)として発生させます。パイ中間子はDラインに、表面ミュオンはUおよびSラインに供給されており、Dラインでは超伝導ソレノイドビームラインでパイ中間子が崩壊して生成するビームエネルギー可変な正/負ミュオン、Uラインではさらにビームエネルギーを103-4 eVまで下げた正ミュオン、Sラインでは表面ミュオンをビームとして取り出し、各実験装置に供しています。
*グラファイト標的の表面近傍に停止した正のパイ中間子の崩壊から得られる運動エネルギー~4 MeVの正ミュオン)
MLFでは、現在3本のビームラインに4台の実験装置が設置されています(うち1台は調整中)。
ミュオン実験の詳細はこちらをご覧ください。
» ミュオン実験の特徴
中性子・ミュオン実験装置レイアウト
- 中性子を用いてナノスケール構造を調べたい(中性子小角散乱・反射率)
- 中性子の透過像を撮影したい(中性子イメージング)
- 中性子と原子核の反応を調べたい(中性子断面積測定, 中性子即発γ線分析)
- 中性子基礎物理実験や中性子デバイスなどの開発を行いたい(中性子機器開発, 中性子光学実験)
- ミュオンを用いた物性測定(µSR)
- ミュオンを用いた基礎物理・非破壊元素分析
- ミュオンを用いた表面・界面における物性測定